-----チュンチュンチュン
小鳥のさえずりが耳にやさしく響く。
「んんっ...あれっ?」
今日は妙に体が暖かい。
冬って起きると寒くて布団から出るのが億劫なのに。
そして、私はまだ置きかけの思考回路を一生懸命に回した。
「拓海...ねえ。離れて寝てっていったじゃん。」
私は自分を抱きしめるように回っている拓海の腕に気がついた。
寝てるし...
拓海の顔がいつもよりも近い。
綺麗な顔してるな。
男子なのに、にきび一つないきめの整った肌。
女子とはつくりが違うからもっちりとは、いかないけれどすべすべだということが触れなくても伝わってくる。
長い睫毛、切れ長の目。
黒いさらさらの髪、筋の通った鼻筋。