コンコン


ドアから小さな音がした。





「穂乃香。ちょっといいか?」


拓海の声が静かに聞こえてドアを開けた。



「何?そろそろ私、寝るよ?」


「あー、別に邪魔するわけじゃないんだけどさ。俺、寝る部屋無さそうなんだけど...。」



はっ!?


何言ってるの?


「あるはずだよ、一室何にもない部屋があるもん。」


私は記憶をよみがえらせた。


うん、ある。


絶対にあるはずだよ。


「じゃあ、それどこか教えて欲しい。」


「分かった。」


私は10時を回るころだったけど寒い廊下に出た。


やっぱり、冬だな...