「…か。穂乃花、起きなさい。朝よ!」


「もうちょっとだけーたくちゃん…待ってよー」




次の瞬間―


「キャア!――寒。」


堪忍袋の緒が切れたお母さんが……


私の布団を!


「はがすことないじゃん!」


「こうでもしないと起きないでしょ。はい、さっさと支度する!」


「…はぁい。」


この世にお母さんより怖い人はいないと思う。



しぶしぶ起き上がり鏡の前に移動する。


お母さんはもうリビングに降りて行ったみたい。


「酷い顔。泣きすぎだよ…。」


鏡に映る自分の顔を見つめてため息をついた。