「あの時は黙って退学するのが精一杯だった」




退学するしか道はなかったのに、反対されて揺れてしまう自分をわかっていたから、フジさんには黙っていなくなることしか出来なかった。



あの頃はフジさんも18のガキで、他に選べる手段もなかったんだ。





「でもリュウは俺の気持ちをわかってたと思う」


「えっ?」





そばにいた俺から見て、リュウさんがわかっていたようには見えなかった。