自分の分身のように何でもお互いのことを解り合って理解しあってたふたりだと思ってた。



それなのに、どうしてリュウさんだけにはなんて考えてしまったんだろうか。





「リュウに話してたら俺は退学なんて出来なかったかもしれねぇな。きっとあいつは退学に反対しただろうし、俺は少なからずもリュウの反対に心を揺らした」




ああ、俺は今さらこの人の気持ちがわかった。



退学を知ったときのリュウさんのツラさばかり考えてたけど、去ったこの人もそれ以上に辛かったのかもしれない。





「それでも俺は親が死んで何よりも守りたいものができた」




それは菖蒲ちゃんのことだろう。