休み時間になると、
彼女は
「ごめんね。」
と、一言だけ言って僕に教科書を手渡した。
「別に。」
素っ気ない言い方だったな。と自分でも思う。
帰り際、
自分の靴箱を触っている女子がいた。
「何。
そこ、俺の靴箱だけど。」
「あ、いや・・・。」
僕からは目を逸らしながらも、
もじもじして動かない。
ふと、靴箱を見ると一枚、紙が入っていた。
よくあることだった。
「何これ。あんたが入れたの。」
相変わらず、
目を逸らしながらその女子は言った。
「え・・・いや、あの・・・」
何だよ。
早く言えよ。
少しイライラした。