「はぁ。ねぇ、ママ!まだ着かないの?」
そう言ってため息をついた陽菜が私を退屈そうに見る。
今年で七歳になる私の娘、陽菜。
小学校に入学したばかりで、だんだん口が達者になって来て最近はちょっと生意気。
「んー。もう着くからね!」
そう軽く流して車の運転に集中する。
「ねぇ、ママ!毎年誰かのお墓参りに行くけど誰のお墓なの!?」
なんでお墓参りに行かなきゃいけないの?っと言いたげな陽菜。
「気になる?」
運転に注意しながら視線だけ一瞬、陽菜に向ける。
「うん!毎年、毎年、ずっーとだよ。誰のお墓か知っておかないと陽菜毎年何お話ししていいか分からないよ」
陽菜は、そう困ったように言った。