灯……。
『あ、あのね…。今日委員会あるから、帰りは遅くなるって言いに来たんだけど……ごめん、邪魔だったね…』
灯はまた泣き出しそうな顔で笑う。
今の俺は、浮気だ。やめて、と
怒られても仕方ない姿なのに。
灯は何も言わない。笑うだけ。
それに何故か、腹が立つ。
言えばいい、離れてって。
泣けばいい、あたしのだって。
そしたら俺は…俺は…?
ありえない。
干渉されたら即ばいばい。
それが当たり前だっのに。
『あの、ごめんね…』
なんで灯が謝るのかわからない。
俺を怒ればいいのに。
「わかった。」
『なんなら先に帰ってくれても…大丈夫だよ?』
「……いいわけ?」
『え?』
「俺が先に帰っていいわけ?」
待っててって言えよ。
一緒に帰ろうって言えよ。
でも灯は、笑うだけ。