灯は多くを求めない。
一緒に帰りたいなんて言わない。
休日に遊びたいなんて言わない。
私だけをみて、なんて言わない。
ただただ、笑う。
嬉しそうに、悲しそうに笑う。
だから気になる。
だから他の女にしたことないことを
やってしまうのは仕方ないと思う。
「今日一緒に帰る?」
『え!……っ、うん!!』
あー、灯の周りに花が大量発生してる。
ふわふわ浮いてる。
めっちゃ喜んでる。
『ならなら、放課後下駄箱で…待ち合わせしようか?』
「なんで下駄箱?」
別に教室まで迎えに行くのに。
『あ…えっと、その。待ち合わせ…って憧れてて、』
「!」
照れた顔を必死に隠す灯。
でも意味ないよ、耳が真っ赤。
そんな真っ赤になられたら、
何故か、つられて俺も赤くなる。
「なら、下駄箱で。」
『うん!うん!』