2022.06.05 金 晴れ


10年前の自分へ。


この日、1番の幸せを
感じていたと思うけど…

でもね、この日がマックスじゃないよ。



あれからほんとに倉橋君は
他の女の子と絡まなくなりました。

ずっと私と一緒にいてくれました。



卒業して別々の短大に進んだけど
それでも浮気の心配なんて
全然しなくていいんだよ

毎日、迎えに来てくれるから。


それから社会人になって
少しだけすれ違いをしたりしたけど
それでもふたりで乗り越える。


倉橋君はアパレルの会社に努めて
私は、保育士になります。

お互いの忙しさをわかりあって
会えない時間を乗り越える
策をふたりで考えあったよ。


それから、同棲を始めた。
私も遠慮しなくなって
言いたいことはちゃんと言うようになる。

それで喧嘩になることはないよ。



倉橋君と生活しだして

ひとりの寂しさを知った。
ふたりの温かさを知った。

毎日一緒にいて、
ご飯を向かい合って食べて
同じベットで眠りについて
色違いの歯ブラシで歯を磨いて
ただそれだけのことが幸せで。


抱き締められる力強さ、
キスの温かさ
肌を重ねあう安心も
全部倉橋君が私にくれた。




そして今日。
10年前の私が1番幸せを感じた日と
同じ日にちに10年後の私も、
また倉橋君から幸せをもらいました。



「好きだよ。結婚しよう。」



倉橋君がくれた初めての言葉。

好きだよなんて、初めて言われた。
結婚しようだなんて、夢みたい。

幸せなときに泣けることも
倉橋君から教わったことです。



ね、10年前の私。
マックスじゃないでしょ?

私は、10年後も
そして生涯ずっと幸せです。




倉橋君がいつもそばにいてくれるから。











end