「もういい。」
『あ!待って…!』
灯に背を向けて、
ウザい女を無視して、
俺は廊下を歩き出した。
なんで腹が立つのかわからない。
でも、イライラが止まらない。
『倉橋君、待って!お願い!』
必死に追いかけながら叫ぶ灯。
でも俺は止まらない。
そうやって灯は追いかければいい。
『倉橋君!』
「……………………なに」
俺の腕を掴み、必死に引っ張る灯。
ほんとに変なやつ。
いつもは俺に触ることをためらうくせに
『待って、お願い…』
「もう止まってる。」
『なんで、怒っちゃったの?』
怒った理由?
そんなん言えるわけない、
自分だってわかんねーんだから。