「ベンチさん、四年生?」


確か、奈良がそう言ってた気がする…。


そうすると、俺と二歳差か。


「…ねぇ!四年生?」


思いっきり無視されて、悲しくなってもう一回聞き直す。意外と傷つくね。


「え?私?
ベンチさん?って言わなかった?」



話しかけられたのに気付いてなかったみたいだ。彼女は、眉をひそめていた。


「え…だって名前知らないから!いつも中庭のベンチに座ってるでしょ?だから、ベンチさん。」



「…あなた変。ネーミングセンスもないし。」



こんな面と向かって変って言われたのは初めてだ。




「じゃあ名前教えて?」