それからもう、話しかけづらいオーラを出す彼女。
手を合わせてから蕎麦を食べ始めた。
初めてこんなに近くで見たが、これは地毛だろうか。黒に近い茶色のロングヘアーがとても似合っていた。
「あの…」
「え?」
「何か?」
「……?」
あぁ、一瞬何を言われているか分からなかったが、俺が彼女を見過ぎていたからか。
「いや、違います。ごめんなさい。
それって地毛ですか?」
見過ぎたことを謝って、
思わず気になっていたことを聞いてしまった。
彼女の顔を見るだけでわかった。
こいつ何言ってるんだ?
と思ってることが。
「そうですけど?」
すごい不信そうに見てくる。そして、この冷たい言い方だけど、ちゃんと答えてくれるところに優しさが垣間見える。
「いや、キレイで似合ってるなと思って。」
「は?……変な人。」
そうつぶやいて、再び蕎麦を食べ進めた。