「(えっ…」)

「その…なんていうか、友美ちゃんのその笑顔と声が好きなんだ。付き合ってくれませんか?」

彼は同じクラスの江口明くん。
現在小学校六年生の友美にとって三年前、つまり小3のときに熱烈に恋をした相手であった。
明くんは、小学校入りたてから多くの女子を落としてきた、男なら誰もが羨む存在である。

そんな明くんが私に告白?
やっぱり私は可愛いんだ!!

(まさか…そんなはずないよ…もしかしたら?)


「友美ちゃん?返事ください!」
「…もちろん、お願いします!!」
「やたっ!」
無邪気に喜ぶ明くんはとても可愛い。
つい、まじまじと見つめてしまう。

そんな明くんにふと、こんなことを言われ、胸が必要以上にどきっとしてしまった。
「ねぇ、友美って呼んでいい?」
「あっ、いいよ」
「じゃあ、明って呼んでよ!」
「うん!分かった、明」
「今度の日曜日、映画見に行こうよ」

初めてのデートだ!

「行きたい!じゃあ今度の日曜日ね」
「待ち合わせ場所は駅でね」

ーー

(なんか怪しい…。少しの間だけ明くんの守護霊になろう。)

すっ。
「ん…変な感覚。」

明くんは青い携帯電話を取り出した。
電話番号を慣れた手つきで押す。


「あ、もしもし?
今度の日曜日だけど。そうそうそれ、上手くいったから例の¨アレ¨実行で。」

(どういうこと…?とりあえず、友美は今度の日曜日に家の外に出しちゃダメね…)


そして、その¨今度の日曜日¨が訪れた