――ガタン 横山くんが勢いよく、立ち上がり、椅子が倒れた音が教室中に響く。 授業を受けていたクラスメート達が音の元、つまり横山くんに注目する。 目があった。 横山くんの表情が驚きから泣きそうな笑顔へとなる。 「ど、どうしたの?横や…」 その先を言うことは出来なかった。 何故なら…、 横山くんが私を抱き締めたから。 強く、強く。 耳元で私の名前をいとおしそうに、囁きながら。