「…穂香。明日も会えるよな、俺達」
「当たり前だよ」
「だよな」
「うん、また明日ね」
「ああ、また明日」
私は別れを告げ、住んでいるマンションに向かって歩き出す。
マンションの入り口のところで振り返ると横山くんがまだ私の背中を見守っていた。
まだ、いる…。
私が自分を見ていると気付いた横山くんは嬉しそうに、手を振る。
体全体で表現された大きな動きに無邪気な笑顔。
彼がモテるのも分かる。
以前、学校で一番美人と言われている先輩に呼び出されてコクられてた、という噂を聞いたことがある。
結局、その先輩とはどうなったんだろう…。