花瓶を一生懸命拾っている看護士さんの隣に座って

看護士さんにしか聞こえない程度の声で


ある、お願いをした。


「検査を・・・してください・・。」

「え・・・?」

「彼は・・祐は・・・・自由が利かなくなっています・・。」

これだけ言うと、看護士さんは解ってくれたらしく

私に、「あと、よろしくおねがいします。」と言って病室を出た。




看護士さんが病室から出ると病室はすごく静かになった。

・・・まるで、誰もいないみたいに。


この沈黙を破ったのは祐だった。

「なぁ・・彩・・?」

弱弱しい声で

今にも消えて無くなりそうな声で

私を呼んだ。

「ん・・何?」

それがつらくて、私も弱弱しい声になった。

「俺・・・手に力が入んなかった・・。

 ここ最近から・・・・思うように体が動かねぇんだ・・・!!!」

自分の両手で顔を覆った彼。

見ていてつらかった。

悲しかった。