翌日学校に行って教室に入ると
いつものように俺を好きな女が藍の事を虐めていた。


でも、今日は何だかいつもと様子が違かった。

「…何してるの……?」
女に笑顔で聞くと女はキッと藍の事を睨むと

「コイツ、私の財布盗んだの!!」
と俺に近づきそう言った。

「…ち、ちがっ……
私じゃな……」

藍はか細い声で違うと必死に首を振る。

……知ってるよ。

藍がそんなことする訳ないってね…??

どうせこの女が藍を悪者にしようとしてるだけなんだって。


「…ふーん…

君、そんなことしたんだ……?」
と藍を見ながら冷たく言うと……

藍は涙を流しながら、教室をでていった。


「…やっぱり、あのこって、最低な奴!!

廉もそう思うわよね!?」

あーぁ……

藍ったら、あんなに泣いて……

今頃、俺の事を考えているんだろうね…?

「廉…?」

「……何……?」

……今、藍のこと考えてたんだから
話しかけないでほしい。

無表情で女の事を見ながら言うと女は、
「……れ、廉……?」
怯えた顔をする。

「……あのね……?

あんまり、虐めちゃ駄目だよ…?」
何てわざと優しく言えば

「…だ、だって……
廉…この前…
あの子の名前愛おしそうに″藍″って…
呼んでたじゃなぃ……」

と泣きながら言った。

あぁ、あの時聞いてたの……?

聞こえないように小さく呟いたつもりだったのに……

まさか、聞いてたなんて……


女の嫉妬程醜いものはないね。

「…藍、何て俺は言ってないよ?
…だから、心配しなくて大丈夫だよ?」

いつものあの作り笑いで言ってやれば
女は安心しきった顔をしていた。


だけどね……?


「……あんまり、調子に乗ったら駄目だよ…?

じゃないと……お前殺すかも」

女の息をのむ音が聞こえた後
俺は教室を出ていった。


さぁーて、

可愛い可愛いお姫様は何処に行ったのかなー??