「あーあ。きったなーい。クスクス。
本当、ありえなーい。
ねぇ~、廉<レン>もそう思うでしょ~?」
と絡み付いてくる女の腕に
床にずぶ濡れの状態で俯いてる女の子。
俺は女の子に近づき、女の子をじっと見る。
「…あぁ、確かに″汚い″ね。」
「……っ……」
と言えば女の子はとても苦しそうな表情をした後…
今にも涙がこぼれ落ちそうな顔で俺を見た。
……あぁ…今この子の目に俺が映っている。
何て思う俺はおかしいのかな……?
「きゃははは~やっぱり、そうよね~」
何て女は女の子を見ながら下品に笑い飛ばす。
女の子は更に苦しい顔になる。
そう。それで、俺だけの事を考えて考えて……
他の事を考えられないくらい
俺でいっぱいになればいいのに
だって、君の目に他の奴が映るなんて
考えただけでも気が狂いそうだよ……
「ねぇ?廉。
今日、私とシない??」
女が甘ったるい声を出しながら、俺に聞いてきた。
女を無表情で見た後に
「いいよ。」とニッコリと笑う。
そうすれば、女は喜びながら軽く俺にキスをした。
キスをされながらも、俺は君のことしか考えていない。
君は今、どんな表情をしてるんだろう?
苦しそうな顔をしている…?
それとも、涙を流して泣いてるのかな……?
どちらにせよ、君が俺のことを考えてるならそれでいいかな…?
俺は、そのままずぶ濡れのままの君を置いて、
腕に絡み付いてくる女と一緒に歩いていった。