どうしよう、どうすればいい?

でも衣装室にないのだから、どこで落としたかすらわからない。
とにかく探さないと……!

扉のノブに手をかけたとき、がちゃりとノブが回って、グレイが現れた。

「お待たせしてすみません」

頭を下げるグレイは、いつもの執事服ではなく正装だった。

「……とても似合ってるわ。素敵」

素直に心から誉めると、「ノアさんもとても素敵です」と返してくれた。


「それでは、そろそろ行きましょうか」
「えっ?え、ええ……」

どうしよう。髪飾りを探さないと……。

でも、舞踏会はもうすぐ始まる。


ーー舞踏会が終わったら、探しに行こう。


そう決めて、わたしはグレイの手を取った。