ということは、他の“餌”の女性もみんな参加しているのだろうか。
と、グレイがどことなく言いにくそうに、
「それで……ノアさんも衣装を選んだり準備をしなければならないので、今日は庭に出る時間はないかと……」
わたしよりもグレイのほうが残念そうに言った。
グレイにとっても、あの庭で過ごす時間は楽しいものだったみたいだ。
嬉しくて、わたしは微笑む。
「そう……それじゃあ明日は、今日の分もとびきり大きいランチを持っていきましょうね」
そう言うと、グレイの顔にも暖かな笑みが僅かに広がる。
時々見せてくれるようになった、グレイの笑顔ーーこれが今のわたしの、一番の宝物だった。