「…そう、ですか」

あんまりな言い方だとは思ったけれど、その言葉にわたしは安心した。
わたしとの関係のせいで、グレイを困らせたくない。

と、伯爵の次の言葉に、わたしはまた別の意味で焦るはめになった。


「で、あいつはどこから血を飲んだんだ?」

「…は?」

血?
あいつって、グレイのことよね?

意味がわからない。グレイは伯爵のようにわたしの血を求めたことはないし、わたしだってーー。


「吸血鬼の愛情表現は、血を吸うことで表される」