けれど、後悔はしていない。

グレイはわたしを助けてくれた。それに、あのときの目ーー。
あの綺麗な瞳に浮かんでいた感情を知ってしまった瞬間、愛しさが溢れた。

それは、初めて抱く気持ちで、多分これは……。


とその時、廊下の端にちらりと、見覚えのある後ろ姿が見えた。


さらさらの金髪。細いシルエット。必要以上に飾り立てられた豪華なドレス。


あれはーークラリス嬢!?