そろそろ帰りましょうか、と言われたわたしは、ゆっくりとグレイから離れた。 いつの間にか落ちた夕日のせいで、グレイの顔はよく見えなかったけれど、その瞳が潤んでいるように、見えたのは、わたしの幻想だろうか。 けれど、部屋までの道は、手をつないで歩いた。 そうして、部屋に戻り、軽い夕食を食べ、少し休もうとベッドに倒れこみ――。 部屋の扉が、開いた。 ――悪夢の夜が始まる。