「ちゅーしてほしいくらいカッコいいよ」



冗談の、つもりだった。

意地悪な颯くんに、仕返ししようと思っただけだった。



だけど優しく、甘く触れた唇に



あたしの体温が急激に上昇する。




「っ…」



「桜華の負け」



「っ…もぉ」



笑いながら、手を繋いで屋台が並ぶ道を歩き始めた。