颯くんを見て、心臓がドクンと跳ねた。 か、カッコいい…。 和服まで似合っちゃうなんて、ズルいな。 「颯くん超カッコいい」 「っ、バカ」 そう言ってあたしの手を握って歩き出す。 大きくて男の子って感じの手を握り返しながらも、浴衣に無反応で背を向けちゃった颯くんに、思わずシュンとしてしまう。 似合ってなかったかな。 可愛くないって思ったかな。 頑張ってオシャレ、したんだけどな…。 下を向く瞳に涙が溜まって。