「あれ、飲み物買いに行ったんじゃないの?」
そうだ、あたし飲み物買いに行ったんだ。
結局何も買わずに戻ってきたあたしを見て、桃は不思議そうに首を捻る。
「ご、めん……忘れてた」
「……何かあった?」
「ううん…何もないよ」
あたしにも何が起きたのかわからない。
桃に相談したいけど、さっきの話だって、もしかしたら、本当じゃないかもしれないし。
それに、水樹くんの気持ちが本当なら、人の気持ちを簡単に他の人になんか話せないよね……。
桃は話したくないってことを察したのか、それ以上は何も言わないでいてくれた。