「いいんだよ、俺は。
別に桜華ちゃんと付き合いたいとかそんなこと、思ってない。
言ったじゃん、俺は恋愛より友情が大事だって」
「……まあそう言うよな、お前は。
だから、辛くなったら俺に話せよ。
ひとりで抱え込むのにも限界があるだろ」
「……ありがと、レンレン」
じゃあ練習戻るわ、と歩き始めたレンレンに、あたしも慌てて逃げる。
ドクンドクンと脈打つ心臓は、壊れちゃうんじゃないかってくらいにうるさくて。
あたしは、颯くんが好きなのにー…
水樹くんのことで頭がいっぱいで、さっきのレンレンの言葉が何度もリピートして。
水樹くんがそんなこと思ってたなんて、知らなかった。気付けなかった。
もしかしてあたし、知らないうちに水樹くんのこと、
傷付けてたのかな……。