「レンレン、どうしたの?」
ハッとしたように振り返る水樹くんと、いつもと違って真剣な表情のレンレン。
何となく話しかけずらくて、思わず校舎の陰に隠れてしまった。
「お前さ、骨折した時ボーッとしてたよな」
「え?」
「颯も周り見ずに動いてた所あるけど、いつもの水樹ならあんな事故起こさなかった」
ボーッとしてた?
骨折した時……。
これからレンレンが何の話をするのか良くわからなくて、盗み聴きなんてダメだと思いつつ聞いてしまう自分がいて。
「何それ、今さら説教?
分かってるよ、注意力足りなかった」
「説教なんかじゃねえよ。
お前、1人で抱え込むタイプだからさ」