「…そ、颯くんから、してほしい」
「っ……何それ、ずるいでしょ」
かぁっと赤くなった颯くんの頬。
不意に塞がれた唇が、温かくて。
「怖くなくなった?」
「ん、なくなった」
ふたりで笑って、観覧車から降りて。
イルミネーションを見ながら歩いて。
「ねえ、颯くん」
「なに、桜華」
「好き」
「俺も」
ロマンチックなクリスマスくらいは、こんな会話をしてもいいかな。
今まででいちばん、幸せなクリスマス。
いちばん幸せ、を毎年更新していけたらいいな。
もちろん隣にいるのは、颯くんがいい。
そんなことを思いながら、ふたりで笑いあった。