そんな不安を抱えたまま、一週間はあっという間に過ぎて。
部活に忙しいらしい颯くんとは、一度も会えなくて。
そして、練習試合の日がきた。
「桜華!あたし達も見に行こうよ」
「え…う、うん……」
桃に強引に手を引かれて、家庭科室から体育館に移動した。
「う、わ…。何これ…」
「すごい人…」
狭い体育館を埋め尽くすような、女子の数。
みんな第1中のバスケ部を見に来たんだろう。
今日は部活がない人だって多いのに、わざわざ見に来る人も。
キョロキョロと辺りを見回すと、ユニフォームを着てドリブルをしている颯くん。
そして颯くん、レンレン、水樹くんという特に目立つ3人を睨むような先生。
やっぱり、颯くんだって気付いてる。
と、その先生と目が合う。
「はぁ…」
ため息を吐いて、また颯くんに目を移された。
泣きそうになっていると、試合開始のホイッスルが鳴り響いた。