「遅ーい!」
「もう、待ちくたびれたよ」
やっぱり広すぎるキッチンで道具を揃えて文句を言うみんな。
「うっせーよ」
笑いながら言い返して材料の入った袋をドサッと机に置いた颯くん。
そうして作り始めたクレープ。
「あ、破れた」
「あ、厚すぎた」
積み重ねられていくクレープの生地の山。
「レンレン何でうまいの!?」
「絶対料理できなそうなのに!」
「バーカ、料理できる男はモテんだよ」
「へー」
綺麗にクレープを焼けたのは、桃とレンレン。
普通に焼けたのは、水樹くんと颯くん。
破壊的な生地ができたのは、あたしと七瀬。
…彼氏より料理下手な彼女ってどうなんだろうか。
そんなショックも、美味しすぎるイチゴクレープで吹っ飛んだんだけど。
「うまっ」
「超おいしい~」
みんなで喋りながらクレープを食べたら、もっと仲良くなれた気がした。