「どこ、行こっか」
「やっぱ遊園地とか?」
「あ、行きたい!」
「映画とか?」
「それも行きたい!」
「水族館とか」
「それもいいー!」
「なんだよ、それじゃ決まんないじゃん」
「だって、颯くんと一緒ならどこでも楽しいもん」
「……」
「何だったら、図書館で勉強とかでも楽しい!」
「それは俺が無理…」
「全部行こうな。クリスマスじゃなくてもデートくらい、いつでもできるし」
「うん!」
普通の繋ぎ方だった手の、指を絡めてみたら。
颯くんも、握り返してくれた。
初めての“恋人繋ぎ”ってやつに赤くなったあたし達を
夕焼けだけが、知ってる。