次々とハチマキを取っていく颯くんにひたすら胸が高鳴った。
そして赤ブロのダントツ勝ちでプログラムは進み、ついに最後のブロック対抗リレー。
クラスで足の速い人だけを集めた、花形リレーだ。
もちろん、颯くん達バスケ部は3人とも参加。
そして女子では七瀬も走る。
あたしは、もちろん桃と一緒に赤ブロを応援!
七瀬がトップバッター。
そして何人か続き、水樹くん、レンレン、そしてアンカーが颯くん。
盛り上がっている中、レンレンが颯くんに耳打ちをして、こちらを指さした。
「…?」
そして颯くんもこっちを振り向く。
何を話してるんだろう?
キョトンとしているあたしに、爽やかな笑顔を見せた颯くん。
その笑顔にドキドキして、キュンとして。
声は出さずに、口だけ動かした。
『す』
『き』
伝わったのか、頬が少し赤くなっている颯くんに手を振る。
と、颯くんはガッツポーズを返してくれた。