「ちょ…押すなっ」
「だって七瀬が…」
「しっ、静かに!」
後ろの方から聞こえる声。
不思議になって颯くんから顔を離し、後ろを振り返る。
「あっ、バレた」
そこにいたのは、七瀬ちゃん、桃、レンレン、水樹くん。
「えっ…いつから……」
「んー…最初から?」
あはっ、と笑って言う七瀬ちゃんに、顔が熱くなる。
み、見られてた!
颯くんを見ると、颯くんも顔が真っ赤だった。
「な、何しに来たんだよ…」
動揺を隠せていない颯くん。
「応援団の準備が始まるから呼びに来たんだよ♪」
無駄にチャラチャラした言い方のレンレンに、明らかにイラついている颯くん。
「…わかった。またな、桜華」
「あっ、うん!頑張ってね」
「ん!」
ニッと笑う颯くんから、しばらく目が離せなかった。