「え、教えてよ!」
「ダメ」
少し顔が赤いのは、気のせい?
「気になるよ!」
「ん、気にしてれば?」
意地悪な笑みすらもカッコ良い。
「あたし、超頑張って走ったのに教えてくれないんだ…」
見るからにシュンとしてみる。
「っ…」
「颯くんのために頑張ったのに…」
「っ…本当ずるい……」
差しだそうとした紙を、サッと引っ込める颯くん。
「…やっぱ無理!」
「えーっ!?」
「マジで恥ずかしい…」
頭を抱える颯くんが油断しているのに気づき、颯くんの右手からお題の紙を奪った。
「あっ!」
「えへへ。えーっと、なになに?」
そこに書いてある文字に、喋るのを止めた。
「っ、え?」
自分でもわかるくらい熱い顔で、颯くんを見る。
「……だからヤダっつったじゃん…」
頭を抱えてるから表情は見えないけど、耳が赤いのだけは見える。