「桜華!」
今日初めて触れた手。
「えっ!?」
驚くあたしの手を掴んで走る颯くんは思った以上に足が速くて、追い付くのに必死だった。
後ろでは三年生が
「え、いいな!あの子!」
「お題何よ!?」
そしてゴールしたあたし達。
「ハァ……ハァ…っ」
「あ…ゴメン!ゆっくり走れば良かった…」
あたしの息切れに気付いて、慌てて謝る颯くん。
「だ、大丈夫……っ…ハァ…」
「ゴメン、大丈夫!?」
「うん…っ」
乱れた呼吸を整えてから、
「お題何だったの?」
って聞いてみる。
と、颯くんは少し考えてから。
「秘密」
って言った。