盛り上がる中80メートル走も終わり、次の競技。
『次は、2年生による障害物競争です』
水樹くんは競技に出るため、違う人が放送をかけている。
そして入場門から走ってくる2年生の中に、颯くんを見つけた。
あぁ、もう、何してもカッコイイ。
走ってる姿は特にカッコイイ。
パンッ
先生のピストルの音で、一斉に走り出したみんな。
「いけーっ、抜かせぇぇえ」
「赤組ー!」
「青いけーっ」
応援が飛び交う中、一際大きな声援を受けているのは、たすきを受け取って走り出した颯くん。
「キャーッ!!颯くんっ」
「綾崎先輩、大好きです!」
「速っ!」
ハードルを軽々と越え、ネットをくぐり抜け、テニスラケットにサッカーボールを乗せて落とさずにサラッと走る。
そんな颯くんは、確かにカッコ良かった。