カサッカサッという落ち葉を踏む音。
月明かりと街灯だけがあたし達を照らす。
そんな中ほんの一瞬だけ触れた手を、思わず引っ込める。
不意の出来事で一気に上昇した体温とは裏腹に、手を繋ぎたいと思ってしまう。
チラッと隣を歩く颯くんを見上げると、こっちを向いてくれない。
シュンとしながらまた歩き始めると、握られた右手。
ビックリして颯くんを見上げても、少し照れたように顔を背けてしまった。
緩む顔は抑えられるわけがない。
あたしも颯くんの左手をギュッ、と握り返した。
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