「や、アナタの食べてみたいな…と」



「や、やめたほうがいいですよ!」



「はは、面白いですね」



面白いっていってもらえて、なぜだか少し喜んでる自分にビックリしていると、体育館から大声が聞こえた。




「おい綾崎、ナンパしてる場合か!?」



綾崎?綾崎って…



「やべっ…顧問だ。
すいません、助かりました!
ありがとうございます!」




「あ…は、はい!」




体育館に走っていく綾崎…くんの後ろ姿を見ていると、少し寂しくなる。



と、不意に振り返った綾崎くんがニッと笑って手を振ってくれた。



あ、ヤバい。




この胸の高鳴りを、わかっているのに認めたくない。



相手は他校で、あたしの名前も知らなくて。


もう会えない人なんだから。