オフはいつもルウと一緒だったから。

雨が降り始めた午後。

僕は、ひとりぼっちが少し寂しくなってしまって。

晩ご飯の食材を買いに行くことにした。

「今日は何がいいかなぁ。ちょっと寒くなってきてるし、ルウ、お肉食べたいって言ってたし・・・」

ちょっと、お財布確認っ・・・と。

「うん!今夜はすき焼きだよ、ルウ!」

あ・・・。

また呼んじゃった・・・。

よし、おいしいお肉、ゲットするぞー!

・・・で・・・。

「はい、ココちゃん。お肉、サービスしておいたわよ」

「まいどおおきに!春菊、おまけ!」

「これ、新しいこんにゃくだから、試してみて」

「お豆腐のおからでクッキー作ったのっ」

おっ・・・おぉ・・・。

美容室に来て頂いて、お世話になってるのは僕らの方なのに、この街の人たちはとても親切にしてくれる。

雨に濡れないように抱えて帰ろう。

「ルウ、もう終わったかなぁ」

もう17時だ。

早く作らなきゃ。

・・・ん?

「お客さん・・・?」

曜日、お間違いになられたのかな?

美容室の前に女の方が立っていた。