「すみません。長い間、ありがとうございました」

あ、圭くんのお母さんだ。

「圭くん、お母さん来たよ」

「うぅ〜ん。あ、おにーちゃん」

まだ眠たそうだな。

「あ、ママー!」

あ、走って行っちゃった。

やっぱり甘えん坊さんだな。

「おにーちゃん」

また帰ってきた。

「ん?どうしたの?」

「おにーちゃん・・・」

忘れ物かな?

「おにーちゃん、だいすき!」

ぎゅっ

小さな体いっぱい。

僕の足に抱きついてくれた。

可愛い・・・。

「圭くん、僕もだいすき」

「わぁい!」

ちょっと誰かさんの視線が気になるような。

「ほら、圭くん。おにーさんが飴ちゃんあげよう」

「え?」

わ、瞳が笑ってない・・・。

「全種類あげるよ。ほら、どうぞ」

ふふ、やきもち?

「おにーさん」

圭くんが、ルウをじっと見つめてる。

僕の足に抱きついたまま。

「おにーちゃんと、ずっと、なかよしでいてね」

大きな気持ちを伝えてくれた。

「サンキュー」

ルウが優しく。

圭くんを見つめてた。