「ココ?」

あ・・・。

ルウかなぁ。

呼んでくれてる気がする。

僕ね、今、圭くんと遊んでるんだよ。

「こーら。起きなさい、ココ」

あれ?

僕・・・。

「あ、僕、もしかして寝てた?」

あったかくて。

圭くんと手をつないでたら。

「あのね、キミ、仕事中ですよ」

ルウ、怒ってる?

「ごめんなさい」

「・・・うぅ」

え?

ルウ?

「ルウ、だいじょうぶ?」

「や・・・ココ、上目遣いは・・・な・・・」

あれ?

ルウ、なんだかほっこりしてる。

「おにーちゃん・・・」

ふたりで、圭くんを見つめてみた。

「ココ。今、圭くんのお母さんから電話あってさ。参観、終わったから迎えに行きますって」

「うん」

「もう少し寝かせてあげようか」

「そうだね」

「ココ、まだ居てあげて」

「うん。ありがとう」

小さな笑顔が、僕らを優しい気持ちにさせる。

僕は、もう一度、そっと。

圭くんの手に触れた。

そしたら、ふんわり。

ルウが僕らの手を包んでくれた。