「おゆかげんは、いかがでしゅかぁ?」

「うん。だいじょうぶですよ」

あ・・・。

くすぐったいなぁ、もう。

僕は今、待合室のソファーで。

圭くんのシャンプーごっこのお客さま。

もちろん、お湯も出ないし、カットは切れないシザー。

でも、ほんとに楽しそう。

「おにーちゃん」

「ん?」

「けい、また、きてもいい?」

圭くん・・・。

「もちろん。またおいで」

どうして、そんな寂しそうな顔するんだろう。

「あのね、ねーねをつれてくるね」

あ、お姉さん。

きっと、圭くんに似て、可愛らしい人なんだろうな。

「おにーちゃん・・・けい・・・」

「どうしたの?」

「けい、ねむくなっちゃった」

あらら・・・。

どうしよ、控え室のソファーに行こうか。

ルウが、優しく微笑んで。

僕が思ったように、控え室を指差してくれてた。