「はい、圭くん、どうぞ」

「わぁ!ありがと、おにーさん」

ルウが持ってきてくれたジュース。

グラスの中できれいな色をしてる。

「けい、おれんじじゅーしゅ、しゅきぃ」

ほんと、愛らしいな。

幼稚園に入りたての頃、僕も、まだ上手に言えない言葉があったな。

「ルウは、ココおにーちゃん、しゅきぃ」

わっ・・・。

「ルウ!?」

「おにーさん・・・おにーちゃん・・・どっちも・・・」

ほらほらぁ、圭くんが・・・。

「あぁ!どっちもびようししゃんだけど、しゅきになれるんだぁ」

え・・・?

そこ?

「焦ってるの、ココだけだよ」

やっ・・・。

ルウ、耳元で喋るのやめて・・・。

「ほら、じゅーしゅ、飲む?」

「僕も?」

「オレンジ?それとも・・・」

まさか・・・。

「アップル?」

「あ、あ、あ、アップル・・・」

ほっ・・・。

「それとも、オレの?」

は・・・。

「ルウの変態ー!」

ドンッ

「うっ・・・。可愛いココのグーパンチ・・・」

「おにーちゃん、うるしゃいなぁ」

ほんと、しょうがないな。