シザーケースが新鮮な重みを伝えてくれる。

今日から僕と一緒だね。

ルウにもらった、僕のシザー。

お客さま来てくださるといいな。

シャンプー専属もなくなるから、ルウのシャンプーもまた久しぶりに見れるんだなぁ。

僕は毎晩、甘えてるけど。

ルウの手、おっきくて、僕の髪を優しく梳いてくれる。

「こら、ココ」

「わっ」

いけない、お掃除の手が止まってた。

「お客さまだよ」

僕に・・・。

「はい。ファイト!」

わぁ。

ルウのお客さまも手を振ってくださってる。

僕は、まだ小さな笑顔かもしれないけど、伝えてみた。

鏡の中のルウ。

あ・・・

口元だけの秘密の言葉。

「大丈夫」

ほんとに、ありがとう。