PM 7:30



「わぁ。ラズベリーだぁ!」

ミア、ほんとに感謝するよ。

ココが。

こんなに、嬉しそうな顔をしてくれるなんて。

『ラズベリーはね、恋みたいな甘酸っぱい味・・・』

いつだったか、オレに、好きなフルーツを教えてくれたココ。

あれ?

「でも、オムライスより反応、大きくね?」

切り分けてあげたケーキを口に運ぶ手・・・止まった。

「そ・・・そんなこと、ないよ、ルウのオムライス、あのね、あの・・・」

「あはは・・・冗談だって」

「ルウ!?」

可愛いなぁ。

ずっと、オレのこと。

ココの胸の中にあればと願う。

オムライス。

ケチャップで描いたココとハートを、大事そうに食べてくれた。

「ほら、ココ。ケーキ、いっぱい食べて」

「うん。あ・・・ありがと・・・」

小さな声でも。

オレはいつも。

ココの気持ちを聞き続けるから。

「ルウ・・・」

「ん?」

「僕ね。誕生日が来たらルウにお話しようって、決めてたことがあるんだ」

「なぁに?」

「あのね・・・」

「うん」

「カット。そろそろ頑張ってみようかなって」

・・・あぁ、ココ。

オレのプレゼント。

伝わったのかもしれない。