「ルウ。これ・・・なに」

ぐつぐつ沸騰してるお鍋に浮かぶ、レトルトパック。

バーベキュー、どうしたのかな。

「やっぱり、オレとココの新婚生活の門出に欠かせないだろ」

クリームシチュー・・・。

「ココのシャワー、待ちきれなくてさ。ちょっと頂いちゃいました」

だから、甘い香りが残ってたんだ。

「ココの分も、あっためておいたからな」

「やだっ。僕は、バーベキューするの!」

材料、準備するもん。

「・・・なんだよ。まぁ、いいや。唇で分けてあげる」

「ルウ!?もー、危ないから、邪魔しないで」

僕ら。

毎日。

じゃれたり、考えたり。

こんなふうに。

いや、もっと気持ちが絡まって。

紡がれてくのかな。

僕は、ルウとふたり。

おいしそうな海の香りが。

僕らの前で色付いていくのを。

眺めながら、明日を想っていた。