「う〜、うまいっ!ココ、お前、ほんと、料理上手いな」

何も持たずに戻ってきた僕を。

「ひとめぼれしちゃった」

そう言って、ルウは、家に連れて帰ってくれた。

実は上京してからふたりでルームシェアしてた、美容室から見えるマンションに。

だから、女の子になった自分の名前も思い付かなくて。

「今さ、ずっと一緒に居たヤツが留学しててさ。心って言って、ココって呼んでんだけど。なんか寂しいから。君、ココって呼んでもいい?」

女の子の僕は、ココになった。

そして、知ったんだ。

僕は、どうやら、留学に行ったということになっているらしい。

「あ、シャンプーしてくれるんだよな、ココ」

「やだ、今日はゆっくりお風呂入るの」

「ん?ゆっくり?オレと入ったらゆっくりじゃないの?」

「だって・・・」

「あぁ、ココ、なに想像してんのかな〜」

「な、なにも考えてないよ!」

ルウは、健全な男の子。

夜は、ココちゃん・・・。

食べられちゃうのです。