「どこが良いかな〜。なぁ、ココ。もう決めた?」

パンフレットの山の中で、ごろごろ寝転ぶオレの上を何回もココが通る。

なにやってんだ?

「もう、ルウ。そこ邪魔だよ〜。ちょっとは手伝ってよ」

ココ奥さまは、忙しそうに洗濯物を運んでる。

良いお天気だ。

オレが考えてるのは、ハネムーンの行き先。

スケジュール的に、夏になりそうだけど。

「やっぱり海がきれいな所が良いな。なぁ、ココ」

「うん。そうだね。夏だもん」

あ、今、ちょっと機嫌直った?

「ココの水着は・・・」

ビキニ?

こっそり買っておこうかな。

「なんか、また変なこと考えてるでしょ」

わ、ココ、分かっちゃった?

どうして、いつもココは。

オレの全部を。

見守ってくれるのだろう。

「ルウ」

「ん?どうした?」

「ありがと・・・」

小さな声だけど、オレには聞こえてる。

「僕を選んでくれて、ありがとう」

こちらこそ。

「ココ」

何度でも、伝えるんだ。

「ココ。大好きだ」